ひよこ図書館

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調べ学習:「調べ学習カード」「参考文献リスト」のススメ

今回は、調べ学習で使う「調べ学習カード」「参考文献リスト」のご紹介です。

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※小学校基準で作ったものですが、中学校でも使えると思います。

調べ学習カードとは?

調べ学習をする時に使うメモ用紙です。

このようなものです。

 

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 ※実物の大きさは、1つあたり、A5またはB6です。

調べたことを書く枠は、もっとたくさん書けます。

(あまり大きな画像を載せられないので、途中で切れています)

 

なぜ、2種類作っているかと言うと、

総合は、ポケット式のA4ファイルを使っているので、

それに合わせてAサイズにしています。

国語、社会、理科などはノートがBサイズなのでBにしています。

印刷時には、同じものを2つ並べて作っているのですが、

A5やB6に切るか切らないかは学年の先生と相談して決めます。

 

切るメリット:

同時にたくさんのカードを並べて、情報の取捨選択ができる。

レポート作成時に順序を入れ替えて、構成を考えることができる。

何枚もたまるので、たくさん書いたという達成感がある。

 

切るデメリット:

失くしやすい。

(ノートにのれんばりするとよいが、順序の並べ替えが難しくなる)

 

切らないメリット:ノートに直貼りできる (=なくなりにくい)
 
切らないデメリット:書かなくてはいけない文量が多く見える。

調べ学習カードの書き方

①調べたいこと

調べているうちに脱線しないように、最初に書きます。

教師や司書もこれをチラッと見て、
脱線している児童を助けることができます。

②調べたこと

「①の調べたいことだけを書きます。

です、ますはいりません。

。を使って文を短くしましょう。

単語で書いてもいいです。

 

調べているうちに違うことを調べたくなった時は、
①で決めた調べたいことが書けたら、

次の紙に、新しく調べたくなったことを書きます。

紙は、ひとり何枚でも使っていいです。」

 

という風に短く書くことを伝えます。

 

調べたいことが

『うさぎはにんじん以外に何がすきか?』
だとすると、図鑑の一部を読み、
うさぎは、耳で体温を下げていること、
野生では穴をほって生活しているので、
地面を掘ることは書かなくていいですね?
クローバー、○○、○○ だけ書けばいいんです。
などとカードを大きく拡大印刷したものに書いて、
デモンストレーションをするのもよいでしょう。
 
5・6年生には箇条書き、要約という言葉を使って
説明するとよいと思います。

 

 参考文献リストとは?

児童には、使った資料リストと言っていますが、
参考文献リストのことです。

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調べ学習カードとセットで使います。
調べ学習カードの右上に◯番の本とありますが、
調べる時は、調べ学習カードに1と書き、
次に資料リストに出典を書いておきます。
 
最後に、レポートを清書した際、
一番最後のページにこの資料リストをつけておけば、
資料リストを書くのは1度でよくなるというわけです。
 
資料リストを使う際には、
奥付の場所、
著者・編集・監修などの説明
(奥付にたくさん名前が並んでいる場合は、
一番文字が大きい人、一番先に来ている人を書くことを教えます)
発行所(本を作った会社だと教えます)
出版年(本が発売された年だと教えます) の解説が必須です。
 
※調べる学習コンクールに出品する場合は
使った図書館名も書きましょう。
 
※司書的には出版社と書きたい所なのですが、
奥付に発行所と書かれているので。
 
※資料リストは、A4サイズで作ってあります。
大抵レポートや報告文がA4サイズなので。

これ1枚でOK

こういうバージョンもあります。

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これは、理科や社会などで、

レポートを書くわけではないけど、

調べて、ノートを提出するor発表するのような時に使います。

 

なぜノートに直に書かせないのかと言うと、

ノートに書くと、人によってばらつきがあるからです。

調べることを書かせないと、

途中で脱線して全然違うことを真剣に書いていたり、

本に書いてあったことと自分の感想や考えを

混ぜて書いてしまう子がいるからです。

また、指導の際も「①から順に書いていきますよ」と

指示が出しやすくなります。

活用するには…

最初に使う時は…

司書教諭のクラスや

図書館をよく利用してくださっている先生のクラスで

使ってみるのがよいと思います。

それで、児童の書いている様子や先生の反応を見て、

「ここはもっと枠を大きく」

「もっと易しい言葉で書こう」

「箇条書きにできるように・をつけよう」

「文字が書きやすいように罫線を引こう」など

色々アレンジができると思います。

私も3つか4つ程色々作ってみて試行錯誤しています。

どこに置いたらいいの?

いつでも使えるように図書館に常備しておくのがよいです。

私は、百科事典のそばに箱を作ってセットで置いています。

それから、職員室の私のデスクにも置いてあります。

どうしてかと言うと、職員室で

「今度○○の調べ学習をしたいんですが…」と話しかけられた時に、

「○○ですね。合計で何時間調べますか?」とか

「レポートや新聞を作りますか?」と言った話の流れで、

「調べ物の時にメモするカードがあるのですが…」とお見せするためです。

先生達にとっては、メモするワークシートを準備する手間が減るので、

よく使ってもらえます。

その時にカードの大きさや切る、切らないの話をしたりします。

参考にしたもの

 

学校図書館は何ができるのか?その可能性に迫る―小・中・高等学校の学校司書3人の仕事から学ぶ

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すぐ実践できる情報スキル50:学校図書館を活用して育む基礎力
 

 

公益財団法人 図書館振興財団

※「図書館を使った調べる学習コンクール」のページには、

参考文献リストのデータがあります。

 

 さて、今回はいかがだったでしょうか?これから、新年度がスタートし、そろそろ総合の調べ学習が始まるころかなと思います。何かお役に立てれば幸いです。

よろしければ、また次回もお付き合いくださいませ。