ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

学校図書館POPの作り方:実況編

今回は、POPの作り方のレクチャーの様子をご紹介します。

 

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POPの作り方のブログが人気があるので、
実際にレクチャーしている時の様子を

そのまま書き起こしました。
だいたいは作り方と同じ事を言っています(笑)

 実際の様子に近いので
シナリオ代わりになるかと思います。

 

※対象は4~6年生

図書委員会でのレクチャーを想定しています。

先生と司書がT.Tでします。

司書ひとりでもできると思います。

 

hiyoko-library.hatenablog.jp

 

 

導入

※なくてもOK 時間と要相談

先=先生  児童=児 司書=司

 

先「皆さんは本を買ったり、借りる時、どうやって選ぶ?」


児「表紙見て選ぶ」「好きなシリーズ」「友達が好きな本」

 「中の絵を見る」「ちょっと読む」

先「なるほど。どれもいいね。

ちょっと読むという人がいたけど、

どんな本か分かったらいいですよね?」

児「はい」

先「本を読まずに中身が分かる方法があります」

児「えー!?」

先「これです。※POPを見せる

POPと言って、本の紹介が書いてあるカードです。

今日は皆さんにこのPOPを作ってもらいます。

でもね、いきなり作ってと言われても無理だと思うので、

司書さんに作り方を習いましょう

図書館に置いてあるPOPは司書さんが作っているんですよ」


※見本のPOPは

キャッチコピー、

あらすじ、書名、作者が分かりやすいものを見せます。

 よくあるレイアウトのパターンはこちらです。

 

hiyoko-library.hatenablog.jp

 

委員会で書く場合では、

イラストがメインになる物も見せたりしますが、

国語の授業では、

絵がメインになっている物を見せるのは避けます。

絵がメインになってしまうと図工になってしまうので(笑)


POPの作り方レクチャー


司「POPに書くことは4つあります。

1つ目はキャッチコピー

2つ目はあらすじ

3つ目は本の題名(書名)

4つ目は本を書いた人の名前(作者)です。」


※5,6年生の場合は書名、作者でOK


これから詳しく説明していきますね」


先「1つ目のキャッチコピーとはなんですか?」

司「キャッチコピーは1文で本の内容が分かる言葉のことです

本に出てくる印象に残るセリフを書いてもいいです

パッと目につくように1文で書きましょう」


先「2つ目はあらすじでしたね。」

司「はい。あらすじは本のだいたいの内容を書きます。

主人公が何をするかを書くのが一番簡単です。

主人公がどんな人か分かるように書きます。

例えば、小学○年生のAは~というふうに書きます」

先「どのくらい書けばいいですか?」

司「2~4行くらいがオススメです」

 

※授業で書く場合は

3~5行と言うこともあります。

委員会だと時間がないので、2~4行程度。


先生「長いお話で色々な出来事がある時は

どうしたらいいですか?」

司「出来事がたくさんある場合は、

一番最初の出来事か、

一番印象的な出来事について書くと

本の面白さが伝わると思います」

 

先「3つ目、4つ目は書名と作者でしたね。

どうして書くんですか?」

司「題名や作者がないと、どの本のPOPか

分からなくなるからです。必ず書きましょう」

先「どうですか?何か気になることはありますか?

特にないようなので、下書きの紙を配ります」

 

下書きについて

下書き用紙について

ワークシートを配る場合…B5半分が1人分です。

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POP下書きワークシート

 

コピー用紙を配る場合…

B5半分が1人分です。

だいたいハガキサイズくらいでしょうか。

その際、「周りの余白を作りましょう。

読みやすくなりますよ」と声かけします。

四隅に線を引かせたり、

予め線を引いた紙を渡すのもよいと思います。

画像のように余白ギリギリの例も示すこともあります。

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余白がなくて読みにくい

 

下書き中あるある 


・本の内容全てを書いてしまう

下書きの例)

AがBと△で戦って、□の技をして、こうなって、Aが勝ちます。


先生の声かけ

「そこが面白いのはよく分かったよ。

でも、最後が分かったら、本を読もうとはならないから

AがBと△で戦って…どっちが勝つのか?! みたいに

最後が分からないように書いたら、本が読みたくなるよ」


・キャッチコピーが書けない

先「この本はどんな本?」

児「妖怪がたくさん出てくる」

先「じゃあ、妖怪がたくさん!!って書くのはどう?」または

「好きなセリフがあったらそのセリフを書いてみましょう」という感じで

できるだけ児童から出てくる言葉や

児童が好きな部分が書けるといいですね。

よく児童からは「え、そんなの書いていいいの?」と

言われますが、難しく考えないことが一番だと思っています。

 

・あらすじが書けない

9類の場合

「主人公は誰?」

「主人公は何をするの?」

0~8類の場合

「これはどんなことが分かる本?」

「好きなページはどこ?」

「どういう所が面白い?」


授業の場合は下書きができたら先生に提出。

委員会の場合は下書きができた人から

さっそく書き出します。


POP書き本番


先「今から本番の画用紙に書きます。

下書きを見ながら、最初に鉛筆で下書きをします。

定規で線を引くと真っ直ぐな文字が書けますよ」

児「ペンはダメなんですか?」

先「文字はネームペンで書きます。

カラフルすぎても読みにくいからね。

そのかわり、飾りには色を使っていいですよ。

文字の黒+2色か3色にしたら素敵になりますよ。

本のイメージに合った色にしてね」


※キャッチコピーはプロッキーの細い方で書き、

あらすじ、書名、作者は児童の持っている

ネームペンで書かせることが多いです。

 

本番あるある


・白い紙に黄色の文字を書いてしまう

黄色の文字は書かないように伝えます。

書いてしまった場合は違う色で上書きしたり、

ふちどったりします。

予めペンセットから黄色を抜いておくのも手です。

装飾やイラストで黄色が必要な子にだけ

黄色のペンを渡すこともあります。


・ペン書きでの誤字

同じ色の画用紙を重ねるか、

いっそその行全体を違う色の画用紙にする

・装飾ができない

男子にありがちですが、

文字を書いて完成になってしまう場合があります。

「枠をペンでふちどったり、

違う色の画用紙をふちどったりしてみては?」と声をかけます。


POPの枠8パターン

 

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全体に向けてPOPの作り方を紹介するものの、

児童一人ひとりへの指導や声かけは

先生にお任せしています。

やはり,先生は先生。司書は司書で

お互いの領域はしっかり持っておきたいですね。

 


では、何かの参考になれば幸いです。

また次回、お付き合いくださいませ。