ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

教科書出版社のHP、見直してみませんか?

今回は、教科書の出版社のHPリンク集とどこを見たらよいかのアドバイス回です。

 

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はじめに

年度末、年度始めということで、

図書館利用年間計画の見直し時期ですね。

教科書や教科書の出版社のHPを見ると、発見があります。

個人的には、教師用指導書よりも児童用教科書と

教科書の出版社のHPからの資料をあわせて見るのが

一番シンプルで分かりやすいです。

 

今回は、教科書の出版社のHPの情報を中心にして、

どんなページを見たらよいかご紹介します。 

 

ありがたいことに各社HPで単元一覧や紹介図書一覧を

WordやExcel、PDFなどで公開してくださっています。

 

 

市町村によって、採用されている教科書は違います。

また、各教科によっても採用されている出版社は違います。

お勤めの学校でどの教科でどの会社の教科書を採用しているか

ご確認の上ご覧ください。

 

図書館の利用計画については、

司書教諭と相談するのはもちろんですが、

学年主任、学習部(教育部など)の

学習関連の部会でも検討してもらうといいですね。

ただの計画にならないように、

使いやすく工夫していきたいところです。

 

HPチェックポイント(全教科共通)

①各教科書の編集ポイント

・単元の目標(めあて)はどこに書いてあるのか、

・この単元で行う学習活動

(国語で言うと、意見文を書くのか、報告書を書くのか、音読するのかなど)

・この単元で身につけたいことは何か

(国語で言うと、主語・述語を学ぶのか、はじめ・なか・おわりを学ぶのかなど)


などが教科書のどこに書かれているのか解説してあるページがあります。

教科書を見る際に、とても役に立ちます。


②単元一覧(年間指導計画など)

 4月は◯◯、5月は◯◯など時系列に

単元が書かれているものがPDFなどであります。
 
時数(授業時間数のこと)の配当一覧も見ておくと、
その単元はじっくり時間をかけて学習するものなのか、
それほど時間を取らずにさっと学習していくのか分かります。

※ただし、この時数は、あくまで教科書の出版社が立ててたものなので、
 各学校の教育課程により時数は違います。

教科別チェックポイント

国語:単元末に紹介されている図書一覧、
教材の出典一覧、巻末に紹介されている推薦図書一覧


※単元末に紹介されている図書とは…

例えば、レオ・レオ二さんの「スイミー」の後ろには、

レオ・レオニさんの本がいくつか紹介されていますね。
そういった本のことです。

 

学習した作家さんの本や学習に関連した本(科学読み物)などを
資料提供することがほとんどだと思います。
単元末に紹介されている本は、ぜひ蔵書に揃えたいですね。

だいたい揃っている学校さんが多いかもしれませんが、
予算が少ないところでは、毎年利用があるものから
優先して買い揃えていくとよいでしょう。


※教材の出典一覧とは…

教材の元になった本の一覧のことです。

 

詩や説明文は意外と書き下ろしも多いのですが、
先生方の教材研究に役立てたらと思い、
出典になっているものも買っています。

あとは、出典ではないものの、
同タイトルで内容が近い絵本版や
易しい読み物などがあれば購入するようにしています。

詩や短歌は教科書を見て洗い出していってもいいのですが、
この出典一覧や単元一覧を見て、
どんな詩や短歌、俳句が載っているか確認しておくとよいです。


※巻末末に紹介されている推薦図書一覧とは…

教科書によって違いますが、
教科書の後ろに推薦図書が紹介されていることが多いです。

低学年は読み聞かせで使っています。
ボランティアさんや担任の先生が
「何を読んであげたらいいか…」と困っている時に。

高学年になると、”読める子”への感想文のおすすめ図書にしたり、
ブックトークで使ったりします。

 

社会:最近話題の単元はないですか?

単元一覧を見ていて、

「ここ、蔵書が弱いな」と思う単元はありませんか?

社会は”調べる”と明記されている単元も多いと思います。

私は勤務校で和食、着物など

日本文化の本が少ないなぁと気が付きました。

和食は無形文化遺産に登録されたこともあるので、

これから増やしていきたいです。


理科や生活:飼育・観察する動植物の一覧

とても選書の参考になります。

ただし、学校によって実際に飼育・観察する動植物は違います。

年度初めに職員会議で教材農園の計画などが提案されると思うので、

そういったものの参考にされるとよいでしょう。

低学年の場合は、生活科で野菜を育てることが多いですね。

職員会議に出られていない方は、理科専科の先生、

または3~6年生の先生方に聞いて情報を得たり、

子どもたちに「何の苗植えたの?」「教室で何か生きもの飼ってる?」など

と聞いてみるのもよいかもしれません。

 

道徳(H29年度から教科化):教材の出典

絵本が教材になっていることがあります。
低学年では、教科書を読み上げるのではなく、
絵本を使って読み聞かせをすることが多いです。

教科化ということで、
来年度から道徳でも図書を使った支援も増えると思います。
ぜひ出典を確認されるとよいと思います。

国語と同じように、できれば、
その作家さんの作品や教科書掲載の同シリーズなども揃えていきたいですね。

また、道徳では、教科書と合わせて副読本を使うことが多いです。
地域に合わせた副読本もありますので、
そちらは実物に一度目を通されるとよいと思います。

 リンク集

文科省以外、TOPページにリンクをしてあります。
各教科書ページへは申し訳ありませんが、

ご自身で辿ってください。

光村図書出版

大日本図書 | 教科書・指導書・問題集および児童書・一般書の発行

東京書籍

教科書・教材紹介 小学校 | 啓林館

−BUNKEIDO−:文溪堂

教科書ホーム - 三省堂 SANSEIDO Co.,Ltd.

外国語教育:文部科学省

 

さて、いかがだったでしょうか?

よろしければ、また次回もお付き合いくださいませ。