ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

ブックコート、3製品比べてみました。

今回は、ブックコート3製品を比べてみました。

 

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※画像が多く記事の読み込みが遅いです。ご了承ください。 

はじめに…

使用感は、あくまで一個人の感想です。

各社を批判したり、営業妨害をする意図はありません。
どうかこの2点をご理解いただきますようにお願いいたします。

今回比べるのは、こちらの3社の3製品です。

ブックコートフィルムやブックカバーフィルム(略してブッカー)など

色々な呼び方がありますが、今回はブックコートで統一しますね。

左  K社…R製品
中央 S社…ESP製品
右  C社…CBF製品

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仕様比較

UVカットはどれも共通だったので、仕様からは省略しました。

K社…R製品仕様 ※画像は下です。

素材 ポリプロピレン
厚さ 75ミクロン 
表面 マット加工
参考価格 35㎝×50m 10,000+税

表面がマット加工のため、光の反射が少し抑えられています。

エンボス加工ではないため、しっとりした触り心地です。

他社よりもやや値段高いです。

ただし、外箱がついているので保管には便利。

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S社…ESP製品 ※画像は下です。

素材 ポリプロピレン
厚さ 75ミクロン
表面 エンボス加工
参考価格 35×50m 7,400+税

表面がエンボス加工のため、少しザラッとした触り心地です。

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C社…CBF製品※画像は下です。

素材 オレフィン系
厚さ カタログ記載なし 手触りは、他社よりもやや厚く感じます。
参考価格 35×50m 6,400+税
表面がエンボス加工のため、少しザラッとした触り心地です。

S社と似ていますが、少しC社のエンボス加工の方が細かいように感じます。

 

C社はかなりお手頃価格です。

ただし、外箱がなく、袋のみです。

書庫がなく、カウンターなどで保存したい場合は困るかも。

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透明度

実験条件:いろは歌を印刷したコピー用紙の上にブックコートを貼る。

撮影条件:真上から照明をあてる。

赤線より上は、ブックコートが貼られていない部分です。

通常の紙とどのくらい差があるのか試してみました。

【結果】

K社…透明度がかなり高く、なおかつ光の反射が少ないです。

S社…ややエンボス加工のざらつきが見られます。

C社…エンボス加工のざらつきが見られます。

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シワ比べ

ブックコートを貼っている時に、シワができ、

剥がして張り直すとなおるかどうか試してみました。

実験条件:ブックコートの欠片を半分折り、

     完全にくっつけてシワを作り、再度広げて、貼る。

撮影条件:シワを写すため、やや斜めから撮る。

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【結果】

K社…シワができたものの、それほど目立たない。
S社…3製品の中では、一番目立つ。

C社…シワができたものの、それほど目立たない。

気泡比べ

実験条件:ホッチキスの針をブックコートに3時間はさみ、

     人工的に気泡を作る。その後、ブックコートを剥がして、

     ホッチキスの針を取り除き、再度貼り付ける。    

撮影条件:真上から照明をあてる。

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【結果】

あまり写真に映らなかったので、写真は参考程度に…。

肉眼で見た所見を書きます。

K社…小さい気泡がいくつかある。
S社…右下の気泡が気になる。

C社…左上の気泡が気になる。

総合評価

透明度  10点中

K:10点  S:5点 C:5点

シワ (目立たない場合は10点近づく)

K:7点  S:4点  C:6点

気泡 (目立たない場合は10点に近づく)

K:6点  S:5点  C:5点

価格(安い場合は10点に近づく)

K:3点  S:7点  C:8点

※お勤めの自治体、学校の取引先の書店や教材店で

送料が変わり、送料込みで比較するのは難しいため、

ここでは単純に価格で比べました。


貼りやすさ 10点中

K:6点  S:5点   C:10点


合計点 50点満点中

K:32点  S: 26点  C:34 点+α


透明度を重視するならK社、
コスパ重視&テクニックいらずで貼りたいならC社がオススメです。

Cに+αとしたのにはわけがありまして…。


C社の製品(CBF)は、

インクから出るガスでシワが入るのを防いでくれるブックコートなんです。
私は今までK社の製品を主に使ってきたのですが、
数時間~翌日にシワが浮き出てくることがあり、困っていました。
ブックコートを全て剥がして、貼り直し…という事もしていたくらいです。
今の所、メインの使用をC社のこの製品にしてから、
時間が経ってもシワが浮き出る事がなく、助かっています。

 

合計点数は、K社とC社はほぼ同じですが、
KとCは全く貼り心地が違うので、好みが分かれると思います。

 

K社は、比較的柔らかい素材のため、するする貼れるという感覚です。
C社はパリッと硬い素材のため、しっかり貼るという感覚です。 

 

K社はスキージで軽めに押さえつつ、するすると滑らせて張るとよいです。

C社の製品の貼り方のアドバイスとしては、
袖の縁や背表紙などはしっかりスキージで押さえつけるとよいです。

 

※スキージとは…ブックコートをかけるための定規のようなもの。

※S社は、残念ながら、あまりよくない点数になってしまいました。
どうも私の貼り方と相性が悪く、今はもう使っていません。
(今回の実験は、最後に残った欠片で試してみました)
一度試したい方は、HPからサンプルも取り寄せができます。

おまけ:学校で使うならどのサイズを買う?

勤務校で揃えているサイズは、21cm、27㎝、35㎝、52㎝です。

21cm(児童向け文庫、新書サイズ)

27cm(幼年童話、読み物サイズ、寄贈マンガ本にぴったりのサイズ)

35cm(絵本、A4版の本のサイズ)

52cm(大判絵本、ポスターなど)です。

 

27、35がよく使うサイズです。

もし予算がなくて揃えられないようなら

35cmがあればほとんどの本に対応できます。

 

 

 さて、いかがだったでしょうか。

当然のことながら、ブックコートの使い心地には、

個人の好みや相性があります。

色々試してみて、ご自分のベストを見つけるのがよいと思います。