ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

ブックトークの作り方

今回は、ブックトークの作り方をご紹介します。

 

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準備する物

紹介したい本・筆記用具・大きめのふせん(またはメモ用紙)

ノートやルーズリーフなどたくさん書ける紙

(パソコンで打ちたい場合はパソコン)

 

授業で行う場合は先生からの「ねらい」「めあて」を忘れずに。

打ち合わせの工夫については、前回の記事を貼ります。

hiyoko-library.hatenablog.jp

 

本の集め方

紹介したい冊数よりもやや多めに集めます。

5冊紹介したいとすると、7~8冊程度です。

この時、難易度が簡単なものから

少し難しいものまで色々と集めておくとよいです。

 (あとから難易度を調節することができます)

 

先生から本の形態に指定がなければ、

絵本でも物語でも、科学読み物でも写真集でも

なんでもよいと思います。

ブックトークの作り方

1紹介したい内容を決め、ふせんに書く

選んだ本を見ながら、1冊ずつ紹介したいことをふせんに書きます。

例えば…

本のあらすじ

作中に出てくる登場人物、物について

作中のすてきな台詞、表現

挿絵や写真について

著者について

作中の時代背景、文化的背景

この一説を朗読したい、

この写真を見せたい

ここをクイズにしたい   などです。

 

1冊につき、何枚でもふせん(メモ用紙)を書いてOKです。

あとから吟味していきます。

この時、読みたい部分、見せたい箇所があれば、

ふせんで印をつけておきます。

私は本メインで行いたいので、ほとんど使わないのですが、

見せたい映像や聞かせたい音、曲等がある場合は

そういったものも準備します。

2紹介する順番を考える

本と1で書いたふせんを並び替えながら、

どの順で紹介するのがよいか考えます。

ここが一番重要です。

どの本も紹介したいのはやまやまですが、

繋がりがよいように並び替えていきます。

この時、流れにそわない本は省きます。

 

この時考えていることは、

「テーマを最初にしっかり伝えたいから

テーマが明確な本を最初にしよう。

中盤は中だるみしないように

一部を読んだり、クイズをする本にしよう

最後はもう一度テーマにかえるような本にしよう」だとか、

はたまた

「最初に一部を読んで世界に引き込もう。

次は作者について話す本にしよう

中盤は登場人物について紹介する本にしよう。

最後は、シリーズ物を紹介して読書に繋がるようにしよう」とか。

「この本は絶対紹介したい

(または先生からの指定で紹介しなければいけない)から

この本を中心にして、その本に繋がるように流れを作ろう」だとか。

 

個々の本に注目しながらも、

ブックトーク全体の見通しを持って考えていきます。

この時、選んだ本の難易度も調節します。

3声に出して読んでみる

ふせんの並び替えがだいたい終わったら、

声に出して読んでみます。

 

すると、「ちょっと流れがおかしいな?」

「なんとなく言いにくい表現だな」

「言葉が難しいすぎるな、簡単すぎるな」

「ここはしゃべりが多いな?」など発見があります。

 

 ここで感じたこと、ひっかかった部分はすぐに変えます。

本の紹介の流れがおかしい部分はまた並び替え、

言いにくい部分は、自分が言いやすい表現に、

言葉の難易度も調節します。

しゃべりすぎている部分は、言葉数を減らして、

マシンガントークにならないようにします。

 

4本と本を繋ぐ言葉をいれてみる

並び替えたふせんを読みながら、

紹介する本と本の間を繋ぐ言葉を入れます。

 

例えば…

「Aの本に△が出てきましたね。△といえば、この本にも~」

「Aの本と同じ人が書いた本が□です。この本は~」など。

※繋ぎ言葉はまた別記事で書こうと思います。

 

個人的には、紹介する本の流れを選ぶことは一番重要だと思うのですが、

この繋ぐ言葉を入れることは一番難しいことだと思います。

ブックトークの時間が3分だとか、とても短い場合は

「今日は○○(テーマ)の本を紹介します。

最初に紹介する本は~次は~、最後は~」でもよいと思うのですが、

ブックトークが長ければ長くなるほど繋ぐ言葉が必要になります。

 

※ただ、個人的には1年生の1学期頃など

まだ長い話を聞く事に慣れていない場合

(またはそういった傾向のある学級)は

シンプルに1冊ずつを区切って、紹介することもよいと思います。

その方が「あ、この本はこうだな」と認識される気がします。

キレイにつなぎすぎてしまうと、児童の中で全部が繋がってしまい、

どの本もごちゃまぜになっていることがあるような気がします。

 

5時間を計って読んでみる

授業の場合、ブックトークの時間が決まっているはずです。

その時間を絶対にオーバーしないようにします。

時間がオーバーするようなら、

紹介する本の冊数を減らしたり、

朗読する部分を減らしたり、

繋ぎ言葉をシンプルにしたりして調節します。

 

また、読む時は、スラスラ読むのではなく、

普段話すよりもずっとゆっくり話すようにします。

 

時間を計る時は、実際に本を持ったり、

ページを見せる動作をしたりして、

本番と同じ動作をしてみます。

できれば、本番と同じ場所でやってみるといいです。

※教室によって座席の配置(縦列だったり、コの字型だったり)が違っていて、

本のみせかたや立ち位置をかえる必要があります。

 

6書き起こしながら覚える

最初に用意したノートやルーズリーフに

シナリオを書き起こしていきます。

私は手で書いた方が覚えられるタイプなので、

書きますが、パソコンでも大丈夫な方はパソコンで。

 

いっぺんに見て覚えたいので、たいていルーズリーフに書いて、

ブックトークが長い場合は3、4枚並べて覚えます。

 

これでブックトークは完成です。

 

※本番まで時間がない場合は、並び替えたふせんに番号をふって、

読みながら覚えることもありますが、

ブックトークに慣れていない場合は、あまりオススメはしません。

 

本番までの準備

(5の時間を計る段階でこれを準備する)

・絶対に間違えてはいけないことを裏表紙に貼る

・見せたいページに付箋を貼る

・ブックトラック、イーゼルなどを準備する

・紹介したい順に本を並び替える

・配布資料作成

 

皆さんやったことのある事だと思うのですが、

絶対に間違えてはいけないこと

(登場人物の名前、作者の出身地や年代等)は

本の背表紙に付箋を貼っておきます。

本番で「えーと」とつかえることがないようにするためです。

もしも、自分がつまずきやすい表現がある場合は、

そういったこともメモしておきます。

 

見せたいページにも必ず付箋をつけます。

1冊につき、見せたいページが何箇所もある場合は、

付箋で1、2とふっておくと間違いがありません。

 

次に、紹介したい本を入れておくブックトラックやかごを準備します。

何が紹介されるのかちょっとしたわくわく感があるように

布をかけたり、かごに入れたりします。

紹介しおわった本は並べていくので、

イーゼルも紹介する本の数だけ用意します。

※紹介しおわった本を片付けずにその場におくことで、

児童は「あの場所にあるからあとで読もう」と安心して聞けるそうです。

 

それから、紹介する本は必ず紹介する順番にならべておきます。

この時、本の大きさよって、倒れてきたりするので、

スムーズに取り出しできるようにブックエンドを使ったりします。

 

最後に、紹介した本のリストや同作者の作品リスト、

作者について書いたプリントなど、

配布資料がある場合は作っておきます。

 

 さて、いかがだったでしょうか。

こうやって書き出してみると、

色々考えてるなぁと自分で驚きました(笑)

次回もブックトーク関連の記事を書く予定です。