ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

LGBT関連の絵本

今回は、LGBT関連の絵本をご紹介します。

 

 

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はじめに

紹介する本は

認定NPO法人 ReBit (りびっと)さんの

小学校高学年向けLGBT教材で公開されている

多様な性にかんするブックリストと

大阪府堺市立美原図書館さんのティーンズ向け

LGBTにかんするブックリストを参考に選びました。

今後購入できるように

現在購入できる可能な図書を選び、

公共図書館、自校などで読んで中身を確かめました。

たくさんの本を読んだので、

いくつかの記事に分けて紹介します。

 

認定NPO法人 ReBit|LGBT問題の今を変える、10年後を創る

 

※当ブログ、ブログ管理人は大阪府堺市とは関係がありません。

 参考にさせていただいたので、ご紹介だけしました。

当事者の気持ち

くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし

くまのトーマスはおんなのこ ジェンダーとゆうじょうについてのやさしいおはなし

 

 テディベアのトーマスは

トーマスと呼ばれているけど、

自分では女の子になりたい、

「ワタシ」って言いたいと思っています。

大好きな友達のエロールに勇気を持って

カミングアウトするお話です。

 

トーマスがカミングアウトしたあとも

カミングアウトする前と全く同じように

遊ぶ姿がとてもよいと感じました。

打ち明けてもなんにも変わらない友情にほっこりします。

それにちょっとしたサプライズもあって、

読んだあとは心が温まりました。

 

ズバリ、テーマをそのものの本を探している

場合には一番近いと思います。 

 

イリスのたんじょうび

イリスのたんじょうび

 

 

うさぎのイリスは男の子ですが、

お花が大好き。

そんなイリスのたんじょうびが近づき、

周りのみんながプレゼントを考えます。

そんな中、1匹が「スカートあげたら?」と言い出して…。

「読み聞かせで読んだらどうなるだろう、

真似して誰かをいじる子がないといいけれど…」

と思ってしまいました。

なんて心がすさんだ大人なんでしょう…。

少し反省しました。

でも、児童は大人が思うより

真理を感じとってくれるのでしょうね。

 

こんなのへんかな? (ジェンダー・フリーの絵本)

こんなのへんかな? (ジェンダー・フリーの絵本)

 

 少し前にニュースで

ジェンダーフリーの制服が話題になっていましたね。

どうしても男子はズボン、女子はスカート、

男子はブルー、女子はピンク、

男らしさ、女らしさのような意識があると思います。

もし、そういう事に違和感を覚える児童が

この本を読んだら

「変じゃないんだ、このままでいいんだ」と思えるはずです。

書架にひっそりと並べて置きたい本だなと感じました。

 

 

わたしはあかねこ

わたしはあかねこ

 

 白、黒、三毛など周りは”ねこらしい”色なのに

わたしだけ”あか”

でも、あかねこはこの色がとても気に入っています。

なのに周りはかわいそうと言ったり

毛の色を変えようとしたりします。

だから、あかねこは旅に出ます。

 

あかねこが自分に自信を持って

自分のことが大好きといえる

自己肯定感の高さがいいですね。

 

 

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

くれよんのくろくん (絵本・こどものひろば)

 

 

有名なので説明は不要ですかね…?

くれよんの仲間たちが楽しそうに

お絵かきをしている中、

くろくんだけは仲間に入れてもらえません。

 

わたしはあかねこ」

「くれよんのくろくん」は

LGBTという観点としてはやや薄いからもしれません。

しかし、差別意識を見直す本としてよいと思います。

 

 

レッド あかくてあおいクレヨンのはなし

レッド あかくてあおいクレヨンのはなし

 

 赤い紙を巻かれた赤色クレヨンのレッドは

どう頑張っても赤色で絵を描けません。

レッドなのに、青い絵しか描けません。

それなのに周りは「練習すればできるよ」

「みんなと一緒ならできるよ」と言ったり、

赤い紙を切ったりしますが…。

 

ふとした瞬間にレッドが自分の活躍の場を見つけて、

輝いていく姿が心に残ります。

 

LGBTに限らず、

見た目と中身が違う事で悩んだり、

頑張ってもできないと悩んだりした事は

誰にでもあるのではないかと思います。

色々な悩みやちょっとした心の傷に

寄り添ってくれる本だと感じました。

 

読んでいて途中で気がついたのですが、

レッドの心情ページは白い背景のページで書かれていて、

周りからの言葉、周りの気持ちのページは

黒い背景のページになっていました。

そういった点でも気持ちを大切にした

本なのかもしれません。

 

色々な家族の形

 

いろいろ いろんな かぞくの ほん

いろいろ いろんな かぞくの ほん

 

 シングルファザー、シングルマザー、祖父母と暮らす、

養子、里子など様々な家族が出てきます。

それぞれの家族の家、学校、仕事なども出てきます。

 

家族の形が見えるだけでなく、

同じ家族の中でも”気持ち”は違うということが書いてあって、

家族だからいつでも一緒、気持ちも同じでなくてもいいと

そっと肯定している所がとてもよいと思いました。

児童がこれを理解するのは難しいでしょうが…。

 

 

たまごちゃん、たびにでる

たまごちゃん、たびにでる

 

 生まれる前のたまごが家族ってどんなものか

知るために旅に出るという話です。

母猫が2匹の家族、シングルマザーのカバ、

全然似ていないカンガルーの親子など

色々な家族に出会います。

私はLGBT関連本だと知って読みましたが、

児童にとっては、普通のぼうけん物の

絵本に感じられるのではないかと思いました。

しれっと書架に並んでいるといいかもしれません。

 

タンタンタンゴはパパふたり

タンタンタンゴはパパふたり

 

 おすペンギンが仲良くなり、カップルになります。

周りのカップルのペンギンのマネをして

石を温めているのをみた飼育員さんが

石を卵にすり替えます。

すると、その卵からペンギンが…!

という実話が絵本になりました。

 

1年生に読み聞かせをしてみたのですが、

感想を聞いていないのにポツポツと

「3匹で家族だね」「なかよしでいいね」

「タンゴがうまれてよかった」

と聞こえてきました。

「なんでママとパパじゃないの?」とか

「変!」だとか聞こえてくるかと思っていたのですが、

彼らなりに感じてくれたようです。

 

 

ふたりママの家で (PRIDE叢書)

ふたりママの家で (PRIDE叢書)

 

 タイトル通り、ママがふたりです。

レズビアンの女性2人の養子(わたし)が語る日々のお話です。

ママ2人、わたしと弟ウィルと妹ミリー、

親戚、地域の人などが登場します。

語り手がわたしであることから、

絵本を読んでいるというよりは、

日記を読んでいるような感覚になりました。

とにかく大事に育てられ、

愛されている子どもたちが印象に残ります。

 

王さまと王さま

王さまと王さま

 

 王様の結婚相手を探すことになり、

そこらじゅうの姫様を連れてきますが、

王様が気に入ったのは別の国の”王様”でした。

こちらも1年生に読み聞かせしてみました。

読み終わったあとに

「男どおしで遊びたかったんだね」

と言っている子がいてなるほどなあと思いました。

 

LGBTの本としては、

ややぼんやりした絵本ではありますが、

低学年の児童で先入観なしで

読み聞かせで使うには

タンタンタンゴはパパふたりや

おうさまとおうさまがいいかもしれません。

 

知識の絵本

セクシュアルマイノリティってなに? (ドキドキワクワク性教育)

セクシュアルマイノリティってなに? (ドキドキワクワク性教育)

 

 タイトルで嫌煙されるかもしれませんが、

体の性と心の性、好きになる性が違うこともある。

でも違ってもおかしくないということが

丁寧に説明されています。

シリーズ物ですが、この本だけ置いてもいいと思います。

 

実は、3巻や4巻は男の子、女の子の

体の仕組みについて書かれています。

仕組みをイラストで描かれてかれているのですが、

思ったよりも詳細に描かれています。

学校の状況によってはNGが出ると思います。

図書館に置いても騒ぎになったりせずに

こっそりと(?)読まれる学校もあれば、

そうでない学校もあると思います。

 

もし、シリーズセットで

購入を検討される場合には

事前に管理職や養護教諭、司書教諭、

性教育のある)高学年の先生に見てもらって

判断されるのがいいと思います。

 

レインボーフラッグ誕生物語―セクシュアルマイノリティの政治家ハーヴェイ・ミルク

レインボーフラッグ誕生物語―セクシュアルマイノリティの政治家ハーヴェイ・ミルク

 

 伝記絵本というか歴史絵本というか…。

「レインボーフラッグの誕生秘話を調べたい」と

言ったような調べ学習があった時に

便利かもしれません。

児童が自分で読むには

高学年か中学生でないと厳しいと感じました。

 

さて、いかがだったでしょうか。

あらすじや感想などを書いてみました。

読み手によって全く違う印象を持つと思いますので、

ぜひ実物を読んでみてください。

きっとそれぞれの学校で

必要な本は違ってくると思います。

 

次回はLGBTの物語や調べ物用の本をご紹介する予定です。