今回は、展示・掲示物に使える色の豆知識です。
補色と準補色
色の相環図というものです。
これがあれば、色の関係性がよく分かります。
※自作したため、少し色が異なるかもしれません。ご了承ください。
赤の場合、隣り合っているオレンジとイエローが同系色です。
赤の場合、補色(引き立たせてくれる色は)シアンです。
補色は基準の色の反対の位置にある色です。
赤の場合、準補色(比較的引き立たせてくれる色は)グリーンです。
準補色は、基準の色の120°の位置にある色です。
赤い本と青い本を置いた時のイメージ図です。
補色に合わせると、お互いが主張し、ビビッドな色合いです。
レッドにシアンは目がチカチカします(^_^;)
でも、青に黄は、案外映えますね。
夏の展示に使えそうな色の組み合わせですね。
次に準補色のレッドにグリーン、ブルーにオレンジです。
偶然にもクリスマスカラーですね。
でも、ブルーにオレンジはなんだか青がくすんで見えるような?
この例でお伝えしたかったのは、あくまで補色や準補色は
目安ということです。少し手を加える必要があります。
彩度と明度
彩度(さいど)は色の鮮やかさのことです。
彩度が高いと、より鮮やかなパキッとしたビビッドな色です。
彩度が低いと、ぼやけた色に近づきます。
明度(めいど)は色の明るさのことです。
明度が高いと、どんどん明るく、白に近づきます。
明度が低いと、どんどん暗く、黒に近づきます。
先程の補色の例です。
レッドにシアン、ブルーにイエローは強すぎて、
目がチカチカするので、彩度を低くしてみました。
マイルドになりましたね。単純に補色の色を背景にするよりも、
本が目立っているように見えます。実際の展示の場合は、
机に敷く布やPOPに使う画用紙などで色を調節するとよいと思います。
でも、彩度を下げればOKというわけにもいかない時があります。
例えば、彩度が低いものを合わせてしまうと
なんだかぼやけた印象になります。
柔らかい印象、かわいらしい印象にしたい時などには
よいですが、使いどころに気をつけましょう。
次は、明度の例です。
青の明度が低いと、紺色になります。
青の明度が高いと、空色になります。
左の紺色は、落ち着いた印象です。
硬めのテーマに使うとよいです。
右の空色は、軽やかな印象です。
爽やかなイメージのもの、ポップな展示テーマがよいかもしれません。
色の組み合わせ
色の組み合わせかた(配色)のお話です。
配色には色々な方法があります。
・補色を合わせる2色配色(ダイアード)
かなり強い色合いです。
・三角で結んで、色を均等に混ぜた3色配色(トライアド)
ビビッドかつバランスの取れた色合いです。
・補色と隣り合った色を使った3色配色(スプリッドコンプリメンタリー)
強い色合いですが、補色や均等に三角の場合よりもマイルドな印象です。
・四角で結んで、色を均等に混ぜた4色配色(テトラード)
2種類の補色なので、強い色です。カラフルです。
ほかにもまだまだ配色方法はあるのですが、今回はこのあたりで…。
自作のため図が歪んでいて、すみません。
試しに、オレンジ色の本を展示するイメージ図を作りました。
細長い丸は、POPや帯だと思ってご覧ください。
上は同じ暖色系でまとめたもの、
下は補色と隣り合った色を混ぜた3色配色です。
実際には、表紙が単色だけの本は少ないですよね。
表紙に色々な色が使われています。
表紙にも色があるので、布や飾りにたくさんの色を使ってしまうと、
ごちゃごちゃ印象になることもあります。
本の展示や掲示の飾りに使う色は、3~4色くらいがオススメです。
色の黄金比とは?
Webサイトや広告などで使われている色は、
ベースカラー90~60%
メインカラー40~10%
アクセントカラー10~1% になっていると言われています。
そのなかでもよく使われている黄金比は、
ベースカラー70%メインカラー25%アクセントカラー5%という比率です。
このブログの場合、アクセントカラーの黄色を
どうしても使いたかったため、最初にアクセントカラーを決めて、
それに合うメインカラーの茶色を決めました。
でも、3色では少し寂しかったので、豆知識の豆のイメージから緑を選んで、4色にしました。
「この色を使いたい!」という色を選んで、それに合わせていくのがよいかもしれません。
掲示物の作成例
今回の内容をすべて使って、本の福袋の掲示物を作ってみます。
①使いたい色を選ぶ
補色を使った2色にしました。
この時、目立たせたい色は赤と決めました。
②彩度の調節
レッドとシアンでは、どちらも目立ちすぎたので、
シアンの彩度を調節しました。
場合によって、明度を調節する時もあると思います。
③色の割合を決める
レッドとシアンを使うことに決めましたが、
掲示物となると、印刷する紙の色も重要です。
今回は、白の紙を使うことにしてみます。
さらに、3色の割合を考えます。
赤をベースカラーにして、白をメインカラー、
薄いシアンをアクセントカラーにしました。
割合は厳密に計算する必要はありません(笑)
自分の中での目安にするといいと思います。
完成例はかなりシンプルなものになりました。
少し寂しい印象だったので、
さらに、赤の準補色の緑を少し足してみました。
緑もシアンのように少し彩度を調整してもいいかもしれませんね。
松竹梅、富士山はマウスで描いたのでガタガタです(^_^;)
配色オススメサイト
[ HUE / 360 ] The Color Scheme Application
感覚で使いたいを選べるサイトです。
1色を選ぶとそれに合った色が自然に残って、選択しやすくなります。
中心にしたい色を選ぶと、配色パターンが出ます。
こんな組み合わせもあるのか!と勉強になります。
以前もご紹介したかと思うのですが、とにかく色が豊富!
和色は目に優しい色が多く、彩度を下げた色を使いたい時にとても便利です。
色の名前を見るのも好きなので、見ているだけでも楽しいサイトです。
参考文献
ウェブ配色 決める! チカラ - 問題を解決する色彩とコミュニケーション
さて、いかがだったでしょうか?
次回もよろしければ、お付き合いくださいませ。