ひよこ図書館

とある学校司書のブログです。本の紹介、学校司書業務に役立つWordやExcelの豆知識など。

就活記録どうやって司書になった?

今回は、マシュマロでご質問のあった就活についてお話します。

 

 

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私は新卒からずっと非正規で働いています。

この選択について、後悔はしていません。

しかし、これから就活をしていく

現役学生さんに勧められる選択ではありません。

反面教師として見ていただければと思います。

 ※6300字あります。長いです。お時間のある時にご覧ください。

 

志望していた職は?

第一志望 公共図書館の司書、学校図書館の司書

 ※大学法人の司書は目指していませんでした。

 

精神的には第一志望>>>>とても大きな壁>>>>

第二>第三>第四でした。 

 

第二志望、書店、文学館、記念館で働く人

(本に関わる仕事がしたいと考えたため)

第三志望は、オーダースーツ店、オーダーシューズ店、百貨店など。

(それぞれの人に寄り添って、

その人に合わせた物を紹介する事が

楽しそうだと思ったため)

第四志望は、法律事務所、会計事務所などでの事務でした。

(もっている資格を活かせそうだと考えたため)

 

初めに何をした?

 司書の採用試験があるかどうか分からなかったため、

まずは他の職から就活する事にしました。

 

最初に大学の就職支援室に通い始めました。

(就職支援課、キャリアセンターなど名称は様々)

最初に利用登録をしました。

希望する求人が出たらメールを

もらうような仕組みでした。

授業の合間に顔を出して、

エントリーシートや履歴書などの添削をお願いしました。

担当者さんや顔なじみの人が増えてくると、

一斉メールを送る前に求人情報を見せてもらえました。

 

学校の特性なのか、アットホームで

とても通いやすかったです。

 

学校の就職支援室のメリット

・授業の合間に通いやすい

・大学宛の求人がある

・卒業生が採用された求人が多いため、

 OB、OG訪問がしやすい

・担当者が決まっているため、

 親身になってもらえる


学校の就職支援室のデメリット

ハローワークから転載もあるため、求人情報が遅い

・大学宛の求人は校内推薦(選抜)など条件がある


同時にヤングハローワークにも登録していました。

ヤングハローワークでも利用登録をしました。

こちらでも担当者さんが決まっていて、

求人を紹介してもらったり、

添削、面接練習などをしてもらいました。


ヤングハローワークのメリット

・求人情報が多い

・若者向けの求人が多いため、若ければ若いほど有利?


ヤングハローワークのデメリット

・通いにくい

・労働環境、条件に問題がある求人があるかも

 

 

就職サイトへの登録

確かリクナビマイナビなど有名なサイトで

3つくらいしか登録していませんでした。

書店や百貨店はここから受けたと思います。

 

大手企業を受けたい場合や

業種は問わないからたくさん受けたい場合は、

こうしたサイトへ登録するのがいいと思います。

webから簡単にエントリーができます。

 

企業によっては、企業の公式HPからの

エントリーが最速の場合もあります。

本命は公式HPもよく確認してみてください。

 

就職のスタートは?

第二~第四志望の職でした。

本当は司書1本にしぼりたかったですが、

司書は採用試験が実施されない年もあります。

家族がそれをとても心配していたため、

まずは他の仕事への就活もしていました。

 

また、卒業する事は決めていたため、

なんとしても卒業までに

内定を取りたいと思っていました。

(転学したり、院に進むのも

アリだったなと今になって思います)

 

私自身、とても反省しているのは、

司書の採用試験案内が出るまで

本当にモチベーションが上がらず、

かなりゆるく過ごしていた事です。

 

もっと本気で勉強しておけばよかったと後悔しています。

ありもしない試験に本気になれませんでした……。

 

内定は?新卒の就職先は?

内定

司書ではない仕事(正規) 2つ

司書(非常勤) 3つ


司書ではない正規の職では

2つ内定をいただきました。

1つは、内定式もなく、入社式の予定もない、

とても小さい規模の所でした。

新規採用はごくたまに。

勤続年数は長い方が多く、

就職していたらそこでずっと働いてかもしれません。

 

もう1つは、私にとってチャレンジな職でした。

いわゆるベンチャー系でした。

毎日違う場所で、

違う人と働くような業種で、

ここに勤めたら

別の自分になれそうだなと思っていました。


正規の職の内定が決まった時は、

司書の採用試験が1つもありませんでした。

その後、正規の司書、非常勤の司書の試験が

偶然あり、色々と受験しました。

 

新卒の就職先

公共図書館です。

立場は、非常勤です。

 悩みに悩んだ末、

正規の職は辞退しました。

 

司書になるという夢を取りました。

当時、家族がお金の事は心配するなと

背中を押してくれた事が大きかったです。

 

内定をいただいた3つの図書館は、

どれも非正規、給与も同じくらいでした。

 

給与が少しよい、通勤しやすい、固定の休みがある

というかなり現実的な理由で

最初の就職先を選びました。

 

 

公共図書館はシフト制で

休みがバラバラになりますが、

その館は休館日は職員も休みでした。

(休館日もブックポストの返却等があるため、

正規職員が少ない図書館だと非正規も出勤します)

 

就職してからも採用試験を受け続ける予定だったので、

初めから数年だけ働くつもりでした。


1年毎の更新で、5年働けるという

採用だったと思うのですが、

満期前に転職しました。

 

 

・新卒時 公共図書館

・転職  学校図書館 現在に至ります。

 

司書の試験はどのくらい受けた?

 

新卒時も、就職してからもかなり受けているので

はっきりと何回と覚えていません。

記憶がごちゃまぜになっています。

 

新卒時、正規の司書の採用試験は2回だったと思います。

隣の県、近隣の自治体の試験を受けました。

縁もゆかりもない土地での試験でした。

一番受けたかった地元の採用試験は実施されませんでした。

 

2次試験まで進んだ事もありましたが、

内定は取れませんでした。

 

新卒時、非常勤の司書の採用は3回受けました。

時期は秋~3月頃とバラバラでした。

3つ内定をいただきました。


就職してからも、正規、非正規問わず、

採用試験があればとにかく受験していました。

就職してからも受け続ける理由は、

正規職員になりたかったから、

非常勤でもより条件のよい働き口を探していたからです。

合計何回受けたかは覚えていません。

両手でも足りないほど受けています。

試験によりますが、

倍率は50~200倍くらいとかなり高倍率です。

 

今は、家庭の事情で転勤ができないため、

採用試験は受けていません。

 

試験対策テキスト・勉強法


公務員の正規職員で合格してないので、
ハッキリとどれがいいと断言できません。
参考にならず、すみません。

実力と運が足りないようです。

 

<教養科目テキスト>

・某公務員試験対策予備校のテキスト

・新スーパー過去問ゼミ 文章理解・資料解釈

・畑中敦子さんのカンガルーシリーズ

 (ワニとカンガルーと好みが分かれる)


<教養科目勉強法>

短期集中講座に通っていたため、

予備校テキストをメインで使用していました。

学業との兼ね合いで

短期しか通えなかったのですが、

かなり集中して勉強できました。

 

出題数の多い、数的推理、判断推理、

資料解釈に重きを置いていました。

15問程度出題されます。

私はこれがとても苦手だったので、

勉強が苦痛でした。

これまでの人生で

勉強が苦痛と感じた事がなかったため、

かなりショックでした。

 

さっぱり理解できなかったため

解法を覚えて、体に染み込ませるという

原始的な方法でした。


<教養科目勉強時間>

平日は1,2時間くらい?

休日は3時間くらい?

 

数的推理、判断推理、資料解釈をして、

2,3日後に再度解くのようなやり方をしていました。

数的などに飽きたら他の教科をしていたはずです。

休日は、試験と同じ時間で過去問を解いたりしていました。

過去問をまとめて解くと

だんだん点数が伸びていくのが見えたり、

苦手な問題が見えてきました。

 

本格的に勉強を初めたのは

採用試験の案内が出始めた夏頃でした。

圧倒的に総勉強時間が足りなかったなと

反省しています。

 

司書の専門試験テキスト

・市販テキストなし

当時、「司書もん」は未刊でした。


<司書の専門科目勉強法>

・ネットで過去問を探して解く

・司書課程科目の試験を解く

・講義のレジュメ、ルーズリーフを見直す

・他の出版社のテキストを読む、書き写す

当時、「司書もん」は未刊だったため、

ネットで過去問を探して勉強しました。


司書課程の試験問題は手元に残していたため、

試験対策代わりに何度も解きました。

講義のレジュメや当時ノートとして使っていた

ルーズリーフも使っていました。

 

他には、大学で使っている科目のテキストが

違う出版社から出てたので、図書館で借りていました。

2冊のテキストを見比べて、

同じように太字で書かれている部分を書き写したり

より分かりやすい説明を書き写しました。

貸出期間の間に集中して書き写しました。

何度か借りて、また読み直しました。

 

試験対策についてはこちらのブログをご覧ください。

とても参考になると思います。

bookserial.seesaa.net


<司書の専門科目勉強時間>

平日は1、2時間くらい?

土日は3時間くらい?

 

どの日も一般教養と専門試験、

どちらの勉強もするように頑張っていました。

ただ、前述の通り

一般教養の数的が苦痛だったので、

辛くなったら司書科目の勉強をしていました。

こちらはとても楽しく勉強していました。

 

<トータルの勉強時間>

平日 3~4時間くらい?

授業の空きコマ、帰宅後に。

土日 3~5時間くらい?


授業は1日に1、2つくらい空きコマがありました。

授業がないといくらでも

寝てしまうタイプだったので、

午前中に授業をギュウギュウに(笑)

私は周りと比べて空きが少ない方だったと思います。

 

司書課程以外に取りたい授業を入れたり、

資格の集中講座を入れていました。

 

バイトは、平日の夕方~夜、土、日どちらか。

公共図書館でバイトをしていました。

夏休みは別の館でも働いていました。

 


<その他の対策>

正規の司書試験では、

一次試験は、教養科目、専門試験、小論文でした。

一次に通れば、面接でした。

 

非常勤の場合は、

教養、専門、小論文、面接が同日な事もありました。

 

私が受けた小論文は

司書らしい問題ではなく、

一般行政職と共通の物でした。

 

小論文・作文

受験する予定の自治体、近隣の自治体の過去問を解く

・就職支援課、ヤングハローワークの担当者に見てもらう

・(司書の過去問は)司書課程の教授などに見てもらう

 

最初は原稿用紙の使い方からおさらいして、

セオリー通りに書けるようにしていたはずです。

 

余談ですが、試験は縦書きの原稿用紙ではなく、

横書きの罫紙のこともありました。

縦書き、横書き、どちらの練習も必要です。


小論文は、司書関係なく、時事ネタを仕入れていました。

ネタがないと書けない問題が出ます。


面接

・就職支援課、ヤングハローワークの担当者などに見てもらう

・実践練習

 

企業からすると迷惑な話ですが、

第二~四志望の職の就活が実践練習でした(笑)

 

学生時代の経験から面接には慣れていたので

担当者から「面接はしなくていい」と言われ、

面接練習はほとんどしませんでした。

皆さんは、練習はしてくださいね(笑)

 

役に立つかもしれない対策

したかったからしていた事が

就活、就職してからも役に立ちました。

バイト

勉強時間の話でも触れましたが、

公共図書館でバイトをしていました。

約2年働きました。

平日の夕方~夜と土、日どちらか。

授業をたくさんとっている方だったので、

主に土日に働いていました。

夏休みは別の館でも働いていました。

 

「あ~!これがレファレンスか!」と

スッと体に入ってくるような感じでした。

配架をしながら分類を覚えられたため、

試験でも楽になることがありました。

 

まだ授業で習っていない事も

職員さんに習ってさせてもらったりしました。

この頃から読み聞かせや

ブックコートかけをしていました。

 

就活で小論文や作文が出た時に

実体験を混じえて書くことができました。

 

今はコロナ禍で難しいとは思うのですが、

一度体験してみるのはいかがでしょうか。

 

短期バイト

イベントスタッフ、塾講師など

夏休みには図書館の他に短期でバイトをしていました。

1日単位、数時間単位でした。

イベントスタッフは、

お金欲しさにというよりも

職場体験のような感じで参加していました。

色々な企業と関わることができました。

第二~第四志望の就活では、

主にこの経験で話していました。

 

・司書過程以外の授業を取る

司書課程以外にも

自分の興味のある授業を色々取っていました。

 

パソコン実務、ビジネスマナー、日本語表現は

就活にとても役立ちました。

 

・授業の内容に興味がある

・教授が面白かった→その教授の別の授業を取る

・資格を取りたいから履修する

 

の3パターンで選んでいました。

そして、できればレポート試験のものを(笑)

 

授業の名前を正しく覚えていないので、

大まかな内容を書いてみます。

 

パソコン実務、ビジネスマナー

日本語表現(レポートの書き方、作文、小論文の書き方)

心理学、日本の文化、世界の文化など。

 

「好きな勉強で時間割りを組めるなんて最高!」

履修登録がすごく楽しかったです。

 

授業を取りすぎると

試験期間が大変になりますので、

ほどほどに(笑)

 

・色々な資格を取る

興味のある資格の集中講座をよく取っていました。

レポート不要、資格試験の合格で単位がゲットできます。

1粒で2度で美味しい(笑)

 

MOSマイクロソフトオフィススペシャリスト)

秘書検定日商簿記あたりは

比較的簡単に取れて履歴書に書けます。

 

MOSは、Word、EXCELPowerPointなどそれぞれあります。

一般的な使い方をひと通り学習するだけで、

パソコンが苦手な方も合格できると思います。

 

MOSで勉強した事は就職してからとても役に立ったので、

個人的にはおすすめしたい資格です。

(学割があるので、ぜひ学生のうちに!)

  

これから就活する方へ

 新卒で非正規職に就くのは、

本当におすすめできません。

こちらのリンクを一度読んでみてください。

 

図書館司書・非正規労働者の給料と生活◆貧困リスクを考えるきっかけに: 公共図書館(公務員)・国立大学図書館の司書になる!

 

非正規の現実が見えてきましたね。

 

私の反省点

・司書の試験案内が出るまでのんびり過ごしていた

(ありもしない試験に向かって本気になれなかった)

・教養試験に苦手意識を持ちすぎた

 

新卒就職時も転職してからも

楽しく過ごしています。

冒頭でも書いたように

後悔はしていませんが、

人に勧められる選択ではないと思っています。

 

幸いと言っていいのか……。

私は実家暮らしが長かったため、

非正規でも生活できていました。

住む家の心配がないというのは、

経済的にも精神的にもとても楽になります。

 

当然のことながら、

働き始めると、勉強時間を

確保する事が難しくなります。

 

司書になりたい方には、

まずは正規職採用への道をおすすめします。

 

現役学生さん

・大学の公務員試験対策講座を取る

できれば並行して、

・予備校に長期的に通う

 

就職浪人できる状況の方なら

・予備校に通う

(司書採用試験がなかったとしても

一般行政職で入庁して異動を待つなどの方法もあり)

 

とにかく勉強できる環境に身を置き、

正規採用を目指す事が一番だと考えています。  

 

近隣だけでなく全国の試験を受ける事、

公共図書館、大学、高校、中学、小学校など

色々な館種の試験を受けるとさらにチャンスが増えます。

私立の学校は独自の採用の場合が多いと思います。

気になる所をぜひ確かめてみてください。

 

ただし、本当に希望する自治体や館の

司書採用試験がないかもしれません。

”ない”ものに向かって頑張れるか。

そこが問題です。

 

 さて、以上が私の就活記録です。

今から就活される学生の皆さん、

全力で頑張ってください。