今回は、職員版学校図書館の利用案内をご紹介します。
まえがき・利用規約
職員向け利用案内について
ご質問(マシュマロ)をいただいたので、
ブログの記事にしてみました。
提案をそのまま書くわけにはいきませんので、
小学校を想定して書いた架空ものです。
記入例と解説コメント(こんな思いで書いている、補足説明など)
に分けて書きました。
記事の利用規約
このような内容ですので、一応利用規約を考えました。
○してもいいこと
司書教諭部会、司書部会など非営利の研修会内で参考にする
一部をコピペして、文書作成の参考にする
✕してはいけないこと
そのまま分掌部会や職員会議で提案する
※あくまで参考程度にとどめてください。
各校の実態に合わせた文書を提案される事をおすすめいたします。
各校の実態と違う文書を提案した場合、
それ対する責任は負いかねます。
PDF配布中
BOOTHとGoogleDriveにてPDFを配布しています。
¥0です。
利用規約も記載してありますので、
どうかご一読ください。
Google Driveはログイン不要です。
ただし、リンクを踏むと
いきなりPDFの読み込みが始まりますので、
Wi-Fi環境でのご利用をお勧めいたします。
BOOTHでのダウンロードの際は…
PixivIDの登録が必要です。
お持ちでない方は、
メールアドレスと任意のパスワード等があれば登録ができます。
購入方法を確認したい方は
をご覧ください。
ファイル形式はPDFです。
Wi-Fi環境でのダウンロードをお勧めいたします。
担当者について
記入例)
学校図書館館長 学校長
担当:児童への読書啓発、図書館運営の助言
司書教諭 ○年生 ○○先生
担当:分掌部会出席、図書館利用計画の計画・推進(授業利用)
児童への読書啓発、図書委員会指導、職員向け研修
=主に授業、児童の指導に関わる事
学級担任
担当:児童への読書啓発
図書館ルール・マナーの指導(本の扱い、延滞、館内マナーなど)
授業用に借りた本の管理、学級文庫の管理
=主に学級の児童に対する働きかけ、学級での本の管理
学校司書 ○○
担当:分掌部会出席、貸出、返却、授業で使う本の準備
新刊の選定・注文など =主に本の管理
図書委員会:貸出・返却の補助、読書週間の実施など
解説コメント)
学校長を図書館長と明記して意識を持ってもらうことが大切です。
意外と館長だと知らない校長先生も多いです。
校長は~の文を引用してもいいと思います。
図書館の事、本の事はなんでも学校司書におりてくるのではなく、
司書教諭、担任の先生にも担当があるという事を
知ってもらうために書いています。
あまり学校図書館が根付いていない学校の場合は、
文部科学省のHPに載っている
「学校図書館の機能と役割」を引用して
「読書センター」「学習・情報センター」について
掲載するのもよいと思います。
学校司書について
記入例) ○○市○○職員 勤務時間 毎日 ○時~○時
できること:主に本の管理に関する事
できないこと:児童の監督・指導、単独で授業
図書館利用は必ずT.Tでお願いたします。
解説コメント)
上記の担当とも被るのですが、ここは外せません!
勤務時間や勤務曜日が限られている方はそれも。
会計年度職員やパートである事を知られたくないという方も
いるかもしれません。でも、自分の身を守るためです。
契約上できないこと、立場上できないことを明記しましょう。
学校司書は「児童の指導はできない」という意識を持っていますが、
意外と先生はそれが欠落しています。
また、フルタイムでない方は、勤務時間終了間近の依頼など
不必要な残業を避けるためにも時間を書いておきましょう。
利用・貸出について
記入例)
開館 ○時~○時
(毎日でない場合、使える休み時間が決まっている場合はそれも)
閉館 学校司書不在時
基本的な利用の方法
各学級毎週1時間の割り当て時間が決まっています。
事前に学校司書にお知らせの上、ご利用ください。(予約〆切 前日)
資料
図書 ○万○千冊
新聞 Aこども新聞、Bこども新聞、Cこども新聞、地元新聞
雑誌 A、B、C、D DVD、CD ○○点 地域パンフレット等
貸出
カウンターで手続きします。
学校司書がカードを選択します。利用目的をお知らせください。
図書以外に新聞、雑誌、DVDなども貸出できます。
ご希望があれば、ブックトラック、コンテナも貸出します。
教職員の個人カード 50冊 1ヶ月(教材研究、個人の読書など)
学級用カード 100冊 1ヶ月(授業で使う本、学級で読む本など)
委員会用カード 100冊 1ヶ月(委員会での利用など)
返却
借りた方が責任を持ってお返しください。
付箋、しおりを外し、冊数を揃えて
図書館カウンターまでお持ちください。
※期限は延長できます。
延長できない本もありますので、学校司書までご相談ください。
解説コメント)
ここでようやく利用案内です。
職員向けには「カード」と言っているのですが、
児童のようなカードは作っていません。
システムから印刷したバーコード台帳を使っています。
また、毎年異動があるので先生の個人名ではなく、
○年○組担任や理科専科、養護教諭などの名前で登録しています。
名前を書き込みたい時は付箋を貼るか、鉛筆書きしています。
図書の時間
記入例)
各学級週1時間の割り当てがあります。
その時間は優先して図書館が利用できます。
前日までに予約してください。
主な使い方
貸出、返却、読書、調べ学習、学校司書による読み聞かせや本の紹介など
教師向け 利用の規則
前日までに予約する
教師引率の元、来館する
児童に読書バックを持たせる
座席を指定する(基本は出席番号、グループワークは班ごと)
学校司書とT.Tで行う
児童向け 利用の規則
読書バックを持ってくる
静かにすごす
本を大切に使う
後片付けをする
1時間の流れ
引率→挨拶→教師より(ルールの確認)→学校司書より→貸出・読書・調べ学習など
解説コメント)
当たり前の事ながら、引率をしてくる事が
正しい図書館利用の第一歩だと考えています。
引率してくると、落ち着いて席につくことができ、
教師や司書の説明を聞く雰囲気ができます。
読書の時間についてはこちらの記事にもあります。
図書館Q&A
1:他の学級の時間に図書館を使いたい
先生方でご相談ください。決まったら、利用時間割にご記入ください。
2:授業で本を使いたい (調べ学習、並行読書)
学期始めに利用アンケートを取ります。
そのアンケートに添って本を準備します。
(アンケート集計時に利用がなかった単元でも対応できます)
公共図書館、近隣校の本も借りる事があります。
準備に時間がかかります。
遅くとも2週前までにお知らせください。
【必要な情報】
調べ学習…教科、単元、調べさせたいテーマ
冊数(3テーマ×10冊など)
めあて、調べたあとに作る成果物の見本など
並行読書…教科、単元、読ませたい内容(作品)
冊数(3作品×10冊など)
めあて、いつ読むか(導入?中間、終末?)
読んだあとに作る成果物の見本など
国、社、理は館内に教科書があります。
それを見ながら準備します。
指導案があればとても参考になります。
いただけると嬉しいです。
3:教材研究をしたい
(「○○の叙述がある本」など調べ物の相談に乗って欲しい)
2と同様。いただいた情報から本を探すお手伝いをします。
時間が沢山あると、よりベストな本を見つけられます。
早めにお知らせください。
4:読み聞かせ、本の紹介をしてほしい
読み聞かせは、数日前でも対応できます。
お気軽にお声かけください。
本の紹介は、シナリオの準備に時間がかかります。
遅くとも2週前までにお知らせください。
5:借りて教室に戻ってもいいか
構いません。授業の前半か後半かお知らせいただけたら助かります。
6:図書館で借りた本が壊れていた(壊れそう、水に濡れた)
そのまま図書館までお持ちください。濡れた場合は、大至急図書館まで!
7:学級文庫が壊れていた(壊れそう)
壊れている本、痛みが激しい本は廃棄してください。
その際、「○○小学校図書館」のバーコードが
ついていないかご確認ください。
解説コメント)
よくある質問集です。
よく聞かれる事やよくある使い方について書いています。
学校によってかなり変わってくる部分だと思います。
何度も述べているように
「ご利用は計画的に!お早めに!」です。(笑)
おまけ:いつ、誰が提案する?
4月に児童向けのオリエンテーションが
終わったあたりの職員会議で提案しています。
司書教諭と相談して作成し、
全体の場で提案(話をする)のは司書教諭です。
なぜ4月最初でないのかと言いますと、
①初回の会議では議題が多すぎて印象に残らないから
②児童向けオリエンテーションを
見てもらったあとで利用のイメージがしやすいから
③オリエンテーション後の通常の利用に
戻ってからの方がタイムリーだから です。
オリエンテーション用に特別に組んだ時間割で行うので、
それが済んで、通常の利用形態に戻った頃に提案しています。
4月の一回目の分掌部会、その後の職員会議では
図書館の利用年間計画や目標など大枠を提案します。
(初回は議題が多いので利用計画については
毎月確認したり、学期始めにアンケートを取ったりして念を押します)
二回目(または1回目)でオリエンテーションの案内をします。
そこでオリエンテーションのお知らせをして、
日程を組み、オリエンテーションを始めます。
4月はとにかく会議の嵐ですので、
まずは直近のオリエンテーションの提案を
先にしているというわけです。
(勤務日、巡回日が限られている方は
オリエンテーションと同時に利用案内を
提案する必要があるかもしれません)
こうして児童向けのオリエンテーションが始まると、
児童向けと称しながら、先生にも聞いてもらえますので、
単純な貸出、返却については先生も知ってもらえます。
それからの方が利用のイメージがしやすいだろうと考えています。
また、オリエンテーションが終わると、
普段通りの利用になるので
図書館が使いたくなるタイムリーな時期でもあります。
あとがき
参考資料
東京学芸大学附属世田谷小学校司書さん作成 吉岡の使い方
※PDFなので、リンクしません。
様々な公共図書館さんが書いている
教職員向けの公共図書館の利用案内も参考になります。
ネットで検索して見てみてください。
利用案内は各校の状況によって
変動する事ばかりかと思いますが、
何かの参考になれば幸いです。
では、今回もお付き合いいただき、
ありがとうございました。